昨年末から始まった我が家のマンションの大規模修繕作業もようやく終盤に差し掛かり、建物全体を覆うように組まれていた足場やシートも次第に取り除かれています。数ヵ月間不自由な生活を余儀なくされていますが、安全性の維持や資産価値の保護を考えると、避けては通れないプロセスです。予定されていた作業がすべて終了し、元の生活に戻れる日を心待ちにしています。
さて、多忙でストレスの多い生活を送っているわたしたち自身にも定期的なメンテナンスが必要なことはご存じですね。イソップ物語のきこりの話。旅人が森を通ると、きこりが木を切っています。見ているとなかなか進みません。そこで旅人はきこりに「切るのをやめて、斧(おの)の刃を研いだほうがいいのではないですか」と言います。するときこりはこう答えます。「そんな時間はない」 仕事の手を休めて刃を研ぐほうが全体としてかかる時間も労力も少なくて済むはずなのですが、普段仕事として全力で取り組んでいることをやめて別のことをするのはなかなか勇気が要ることですね。そこで今日は、普段のちょっとした経験の中から刃を研いだ話を。 先日、ある友人の方からクラシックサロンコンサートへのお誘いを受けました。有名交響楽団を引退した男性3名と新進気鋭の20代の女性で構成される弦楽四重奏。出張続きの毎日で、こうしたお誘いを受けてもなかなかスケジュールが合わずにお断りすることが多いのですが、今回はたまたま他に予定がなかったので参加させていただくことができました。 演奏者の息遣いが伝わってくるような至近距離で聴く、とてもぜいたくなコンサートでした。心のこもったお料理と魂を揺さぶるような演奏。演奏を終えた後での演奏者や参加者との親しい語らい。夢のような時間が過ぎ、気が付くとかなり遅い時間になっていました。体は疲れていましたが、心は満開の桜のように晴れやかでした。 そして先週末。母が住む山形への久しぶりの帰省です。今月97歳の誕生日を迎える母はとても健康で、いまだに独り暮らし。住んでいる家はわたしが生まれる前の年に建てたもので、内部は改装していますが、67年を経た今でも昔のままです。庭に出てみると、子どもの頃のことがよみがえってきました。今はありませんが、結構大きな実を付けるリンゴの木と柿の木があって、収穫を楽しみにしたものです。 見ると、雪で倒れないように縄で枝をまとめた庭木が何本かあります。昨年11月に急逝した仙台に住む義兄が、亡くなる数日前に来て手入れをしてくれたものです。おかげで庭木は倒れずに無事に冬を越すことができました。1本1本結び目をほどきながら、いつも母のことを心配してくれていた義兄の姿が目に浮かんできました。縄をほどくと、庭木は待ちかねたように枝を広げ、暖かな春の日差しをいっぱいに浴びていました。車で往復9時間以上もかかる、しかも日帰りの帰省。確かに体は疲れていました。でも、帰宅したわたしと妻の心には、何とも言えない充実感がありました。 サロンコンサートも帰省も、わたしにとっては多忙な日常から解放された、言ってみればほんのひとときの寄り道でした。でもこうした寄り道は、これからも大事にしたいと思います。人の心は、自然や芸術とふれあい、愛する人と語り合うことによって磨かれ、養われていくと信じているからです。
by ohkimakoto
| 2015-04-17 00:00
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