東日本大震災から今日で5年です。震災とはかかわりを持たない一般の人々からすればあっと言う間の5年間かもしれませんが、心身ともに苦痛を受けてこられた大勢の方々にとっては、5年間の一日一日が平常を取り戻すための長い闘いの日々であっただろうとお察しいたします。
ジョン・ワズワース前社長、ブライアント・ワズワース初代日本支社長と一緒に被災地を訪れた時のことが鮮明に蘇ってきます。海岸の近くのその地区はほとんどすべてが津波に押し流され、残っていたのは建物の基礎だけでした。何も遮るものがなくなって海から直接吹いてくる風は独特の潮の香りがしました。言葉がありませんでした。その一つひとつの基礎の上には家が建ち、その家の中では平和で温かな生活が営まれていたはずです。改めて、自然の脅威と、自然の下での人の無力さを感じずにはいられませんでした。 地震が起きた日、わたしは平塚市の海沿いにある企業の研修所で社員研修を行っていました。数度の大きな揺れの後で、研修所スタッフから宿泊棟に避難するように指示がありました。スタッフが言うには、セミナーを行っていた研修棟と内部でつながっている宿泊棟には自社開発の最新の免震装置が施されており、大規模な地震でも安全なのだそうです。実はその企業は大手のタイヤメーカーの1つで、ゴムを材料にした免震装置の開発も重要な事業となっていました。まずは自社の研修所でそれを試そうということで、建設時に据え付けたとのことでした。 人の可能性は偉大です。その一端は免震装置の例のように、科学技術の発達に見ることができます。モリンダが登場した1996年はわたしがコンサルティングの事業を立ち上げた翌年です。つい昨日のことのように思いますが、当時、インターネットはありませんでした。わたしが企業研修でBGM再生用に使っていたのはカセットテープで、それが後にCDやMDに進化しました。何枚ものCDやMDをケースに入れて持ち運んだことを懐かしく思い出します。それが今ではすべて、動画も含めて手のひらに収まるスマートフォン1つで対応できるのです。 しかし、忘れてならないのは、こうした科学技術面での可能性の拡大に加えて、いやそれ以上に「心の可能性」をいかに育んでいくかということの重要性です。NHK総合テレビの『クローズアップ現代』(2016年3月8日)にゲスト出演した映画監督の山田 洋次さんの言葉が心に響きます。「寄り添うなんてできないです。できるのはお気持ちを細かなところまで具体的に想像するだけです」 「想像力」は人に無限の力をもたらしてくれます。2014年のNHK連続テレビ小説『花子とアン』のキーワードは「想像の翼」でした。山梨の貧しい農村に生まれた花子は、「想像」という翼に乗って自分が置かれた境遇をはるかに超えた未知の世界を体験していきます。 今のわたしたちに求められているのは、この科学技術というハード面ではない、言ってみればソフト面での可能性を育んでいくことではないでしょうか。その第一歩が、人がどのような体験をし、その体験を通して何を感じたのか、想いを馳せることです。これができて初めて、「大変でしたね」、「つらかったですね」、「ありがとう」、「おかげさまで」といった言葉が意味を持つのではないでしょうか。
by ohkimakoto
| 2016-03-11 00:00
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