弾こうとしている音
 ボストン・フィルハーモニー管弦楽団創設以来の指揮者であるベンジャミン・ザンダーが書いていたのですが、作曲家のストラビンスキーが、ヴァイオリン協奏曲の難しい部分に苦労しているヴァイオリニストにこう言ったそうです。

 「ここは弾いている音がほしいのではなく、弾こうとしている音がほしいのだ」

 また「春の祭典」の演奏では、出だしの危うい部分を表現するために、何の問題もなく上手に演奏できるファゴット奏者をメンバーから外してしまったと伝えられています(『チャンスを広げる思考トレーニング』日経BP 社刊)。

 わたしはTNI の事業を、みんなで参加するオーケストラだと考えています。そしてわたしたちが奏でる曲は、これまで誰も演奏したことのないオリジナルの曲ですから、「難しい」ところや「危うい」ところがあることでしょう。でも、求められるのは「完璧に弾いている」演奏ではなく、「完璧に弾こうと努力している」演奏です。みんなで参加するオーケストラなのですから。

 人は不完全ですが、その不完全さを謙虚に認めた上で自己を高めようと努力している姿は、共感を呼びます。TNI が求める「身の丈に合った努力」とはまさにこれなのです。
by ohkimakoto | 2009-09-11 00:00 | 能力を高める
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