夏休みの真最中ですね。猛暑の毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。オリンピックの実況放送の時間帯が夜中から明け方にかけてなので、寝不足の方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。どうぞご自愛を。
ちょうど今頃は山の天気が最も安定する時期なので、かつてはアルプスの山々を縦走していました。当時はまだ今のような軽量のテントやレトルトの食糧が十分にありませんでしたから、重いテントと5日から1週間分の食糧をみんなで手分けして担ぎます。特に後半の分の食糧を運ぶ担当のメンバーは、最後まで食糧がリュックの中にあるので、大変でした。たいていは、力のある高校生が引き受けてくれました。わたしはなぜかいつも調理のための大鍋の担当で、リュックに大きなアルミの鍋をくくりつけて運びました。「鍋マン」と呼ばれていました。 その夏の登山は、日本第2位の高峰、北岳でした。車で広河原という場所まで入り、吊橋を渡って登り始めます。ところがその年は、仕事の忙しさから来る睡眠不足で体調が悪く、みんなのスピードについて行けません。やむなく、先に行ってもらうことにしました。北岳登頂は初めてでしたが、準備のために山の地図をトイレに置いて四六時中見ていたので、パーティーから離れてもルートには自信があったのです。 やがて体も慣れてくると、スピードも上がってきました。ところが、調子が良すぎて、左折しなければならない分岐点を見逃してしまいました。予定では左折して二股という地点まで行き、そこから川沿いに雪渓を登るはずだったのが、誤って白根お池という場所まで直登してしまったのです。間違いに気づいたのは、もうすでに池のそばまで来ていた時でした。 まずい、と思いながらも、何とかなると思いました。お池と、上部二股という二股の上に位置する地点をつなぐ登山道があることを地図で知っていたからです。そして、後半の自分のスピードからしたら、先に行った仲間と合流できるだろうと思いました。しかし、上部二股に仲間の姿はありませんでした。まだ遅れていると思ったわたしは、少しでも追いつこうと必死に登りました。 実は、体調の悪いわたしのことを心配した仲間が、二股で長時間わたしの到着を待ってくれていたのです。後で聞いたのですが、彼らの頭の中にはわたしが別のルートを取るという考えはまったくなく、おそらく体調が悪いため下山する決断をしたのだろうということで、登頂を再開したとのことでした。ですから、頂上直下の山荘に到着していたわたしを見た時の仲間の驚きは、おわかりいただけると思います。 どんなに準備をしても、どんなに相手のことを思って行うことでも、どんなにスピードを上げても、実際にその意図を相手に伝えなければ食い違いが起きるものです。山では事故にもつながりかねません。今では笑い話ですが、思いを伝えることの大切さ、それを身をもって体験した夏でした。
by ohkimakoto
| 2012-08-03 00:00
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